危険騎乗見直しの必要性を考える

◆2012年のNHKマイルCで後藤浩輝騎手が落馬負傷。ここから彼の歯車は狂ったのかもしれない

NHKマイルCというと思いだすのが2012年のレース。勝ったカレンブラックヒルの方ではない。直線で落馬負傷し、ここから長期離脱を余儀なくされた後藤浩輝の方である。最後の直線、内にヨレたマウントシャスタのあおりを食らい、騎乗馬のシゲルスダチが転倒。第一・第二頚椎骨折、頭蓋骨亀裂骨折を発症し、約半年の療養を余儀なくされた。そしてここから約2年後の2月27日、彼は自らの命を絶ってしまう。もちろん、前述した落馬事故がこの事の直接的原因にならないが、あの落馬事故が彼の人生の歯車を狂わせてしまった事は間違いないだろう。ただこの時マウントシャスタに騎乗していた岩田康誠騎手の事を責める気はない。ターフで行われるのは、まさに命を懸けた戦いである。当然こういう事が起きる可能性は十分にあり得る訳だが、ただ毎年この時期になって考えるのは、もう少し危険騎乗が減らないものかという事である。 この春も危険騎乗で騎乗停止処分になる騎手が続出している。先週に至っては、4名の騎手が騎乗停止処分を受けている。今年ここまで10勝以上挙げている騎手の中で制裁点がゼロなのは津村明秀騎手と藤岡康太騎手の2人だけ。攻めた騎乗をしなければ勝てないのは解るが、もう少し周りに配慮があっても良いのではないかと感じてしまう。 今年3月のフィリーズRでは1番人気のレーヌミノルが最後の直線で内に切れ込み、後ろから来るジューヌエコールの進路を塞いだとして鞍上の浜中俊騎手が騎乗停止処分を受けたが、関係者の多くは「あの乗り方を続けてたら、また死人がでるぞ」と囁いていたらしい。 後藤騎手に限らない。これまで多くの騎手が落馬負傷によりターフを去り、時には命まで失ってしまう人も中にはいる。そしてそれは、人災であってはいけないはずだ。 年に1回、そういう人々を追悼し、危険騎乗について考える日があっても良いのではないか。今競馬界は、そういうところを真剣に考える所に来ているのかもしれない。

 

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  • Horse racing Party
  • 競馬関係者 C
  • FORMER/TRAINER 元・調教師
  • 日本馬産界の「今」を追いかける競馬ライター。元・調教師という特色がら、日本生産界の重鎮たちとも繋がりを持っている。そんな競馬関係者Cのコラムをご堪能ください。

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