【ダービー回顧録】1997年 寡黙な逃亡者 サニーブライアン

◆サニーブライアン…低評価を覆し、皐月・ダービーを逃げ切ったクラシック2冠馬

いよいよ今週末はダービーである。一冠目として行われた今年の皐月賞は1~3番人気に推された馬達がことごとく馬群に沈み、結局9番人気のアルアインが勝利した。上位3頭が全て馬券圏内を外したのは1997年以来20年ぶりの事となるが、その20年前に勝ったのが大西直宏騎手騎乗のサニーブライアン。大外枠から果敢に逃げてそのまま押し切り、見ている競馬ファンたちをあっと言わせた。

ただ競馬ファンが本当に驚いたのはこの次である。皐月賞を11番人気で逃げ切ったサニーブライアンだったが、ダービーではその成績がフロック視され、皐月賞馬ながら6番人気という低評価を受ける。皐月賞馬がダービーでここまで低い評価を受けるのはグレード制導入以来後にも先にもこの時しかなかった。

この事に関して、手綱を取る大西騎手の心中はどのようなものであったかは分からない。ただ、彼は落ち着いていた。そしてあの有名な名言が生まれるのである。

「1番人気はいらない。1着が欲しかった」

彼はその言葉通り、皐月賞と同じ大外18番枠から、見事2400mを逃げ切るのである。ゴール前で、「これはもう、フロックでもなんでもない!」と叫んだフジテレビ三宅正治アナウンサーの実況通り、多くの競馬ファンはこの時、この馬の実力を思い知ったのである。

さてそれから20年後、アルアインはダービーでどういう評価を受け、どのような走りを見せるか。鞍上の松山弘平騎手は初の皐月賞騎乗で見事勝利を収め、自身初のGⅠ初制覇を成し遂げた。対してダービーは今回で4回目。ここまですべて2ケタ着順だったが、今回一気に頂点を獲る可能性も十分にある。若武者の果敢な走りに期待したい。

 

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  • HORSE RACING REPORTER 元・競馬記者
  • 元・競馬記者。競馬記者を経験し、毎年セレクトセールや厩舎を訪れ、取材を続けている。彼の書くコラムはレースだけでなく、人情や馬のドラマを丁寧に描いたコラムで、コアな競馬ファンから絶大な指示を得ている。

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