【コラム】セレクトセール回顧

◆セールを席巻した「DMM.com」の展望

今週7月10日、11日の2日間、日本最大のセールとなるセレクトセールが行われ、大盛況のうちに幕を閉じた。2日合計の取引金額は187億1316万円。前年より115.96%の売上増となった。当歳市場で近藤利一氏がディープインパクト×イルーシヴウェーブを5億8000万円で落札するなど、話題にも事欠かないセールとなったが、その中でも今年、文句なしに話題の中心となったのはDMM.com。ゲームや映像配信から英会話・太陽光発電まで、様々な事業に参入している企業が、合計7億以上の資金を使い、話題の馬3頭を次々と落札した。落札された馬は次の通り。

1歳馬  ラブズオンリーミー(ディープインパクト) 1億6000万円(税抜)

※2016年ドバイターフを勝ったリアルスティールの全妹

当歳馬  ドナブリーニ(ディープインパクト)    3億7000万円(税抜)

※国内外のGⅠ7勝した牝馬ジェンティルドンナの全妹

当歳馬  シュガーハート(ブラックタイド)     1億4500万円(税抜)

※昨年の年度代表馬キタサンブラックの全弟

落札価格の平均単価は里見治氏、近藤利一氏ら名だたる馬主達を抜いてトップ。何でもDMM,comは2年後をめどに「バヌーシー」という一口馬主クラブを始めるとの事。アプリで展開していくクラブらしく、その分割口数は何と1万口になるという。前述したドナブリーニの仔などは1口4万円という、他の一口クラブからすると破格の値段で行うことを考えていると言う。取締役の野本巧氏は、「投資」と言う観点ではなく「感動の共有体験」というところに重きを置いている事を明言しているのだが、確かにこれでは大きなところを勝っても1人1人の儲けは出ない。例えば持ち馬がジャパンカップを勝ったとしても、参加者に還元されるお金は24000円程度で、一攫千金というところからは程遠い感じがする。本当に自分の関わる馬としてその愛馬の行く末を見守っていくと言う楽しみ方が妥当なところなのだろう。それは競馬ファンとしてはとても良い事のような気がする。

ただ、心配事もちらほら。これは自分の勝手な思い込みだが、今回落札された3頭は、期待ほどの走りは見せられないような気がする。ラヴズオンリーミーもドナブリーニも名牝だが高齢であり、能力を伝達する力がどこまで残っているかという懸念もあるし、シュガーハートの仔に至っては、血統的背景の割には兄があまりにも偉大になり過ぎてしまった印象がある。他の大物馬主がセリを降りたという事実も見逃せないところだろう。注目の3頭がこんな感じだ。今後増えてくる馬はどんな感じで結果を残せるか?

更にはこれまで競馬事業に参入していなかった同企業が、売り上げが経たないとなった時にどうするか。あっさり撤退し、名のある馬達が路頭に迷う事も十分に考えられるし、引退後の馬達のセカンドライフなどをどう考えているかと言うところも疑問だ。始まる前からあれこれ考えるのは杞憂の部分もあるとは思うが、DMM.com様にはその点、重々考慮して事業を進めていって頂きたいと切に願う。

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  • 元トラックマンという経歴を活かした競馬コラムを展開する。元トラックマンだけが知る情報も詰め込まれた、競馬ブロス所属の人気コラム二スト。

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