騎手学校合格者発表に寄せて

◆騎手学校合格は親子による努力の結晶

先週10月20日、来年4月に騎手学校に入学する「第37期競馬学校騎手課程合格者」の7名が発表になった。応募者147名に対しての7名という事で、彼らがいかに優秀かという事は想像に難くない。なお合格者7名中、西谷凛くん、松本大輝くん、横山琉人くんの3名のお父さんがJRA騎手、紅一点である永島まなみさんのお父さんが兵庫競馬の騎手と、半数以上のメンバーが騎手2世。また残り3名のうち小沢大仁くん、永野猛蔵くんはジョッキーベイビーズに参加経験があり、競馬未経験は水沼元輝くんのみ(乗馬クラブには所属)というメンバー構成になっている。

この「2世」「ジョッキーベイビーズ出場者」という括りは年々多くなっている印象があるが、一方巷で噂される「コネ」という事に関しては、私は全くないと考えている。もちろん「乗馬」というスポーツは物凄く金のかかるスポーツであり、それを子供の頃から極めるにはそれなりの家庭環境にいなければまず大成しないし、体があまり大きくなっても騎手としては厳しくなる。その点騎手の家庭ならある程度の経済力は持ち合わせているし、遺伝的にみてもそこまで体が大きくなる可能性は低いはずで、そういった事が毎年同じようなメンバー構成になる一因になる事は十分に理解できる。ただ、それ以上に大きいのは「競馬」に対する親の理解である。ただでさえ「競馬」は「乗馬」と比べても他のスポーツ以上に「死」と隣り合うスポーツであり、その危険度は計り知れないものである。その点「競馬」に関わる家庭、特に父親が騎手である家庭はその点を十分に理解しているはずで、何か学校で何かあったとしても、冷静にその原因を分析することが出来る。要はモンスターペアレントみたいなのがいては学校として本当に困るのだ。

私の知り合いにもかつて騎手学校を受験した人間がいたのだが、彼は乗馬経験はなかったものの体格的に問題無く、運動神経も抜群で、1次試験はあっさりと突破していた。ところが2次の面接で両親との3者面接になった時、「息子さんが競馬の道に進むことについて」の考えを聞かれた両親が一瞬回答を躊躇したところを見られて、彼は騎手学校を不合格になったという。試験官の話を聞いた訳ではないので、一概にそれが1番の原因かどうかは断定しにくいが、もし自分が試験官だったとしたら、確かにこの対応で彼を不合格にしたかもしれないという事は、この話を聞いた時に思った記憶がある。

騎手学校の合格は、親が理解し、援助し、子供が努力して成し遂げられた結晶である。また今回合格したお父さんの1人に話を聞くことが出来たが、彼も「これからが大変です」と、ここがゴールではなく、いばらの道へのスタートだという事をしっかりと認識していた。そこに決して「コネ」などという生半可なものはないという事を世間の方々には是非とも分かって頂きたいと心から願っている。

 

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colum-C

  • Horse racing Party
  • 競馬関係者 C
  • FORMER/TRAINER 元・調教師
  • 日本馬産界の「今」を追いかける競馬ライター。元・調教師という特色がら、日本生産界の重鎮たちとも繋がりを持っている。そんな競馬関係者Cのコラムをご堪能ください。

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