【第156回】天皇賞(秋) キタサンブラック、雨の府中で秋盾奪取!

記事:渡部庄治 写真:山田暢大

雨の府中で「ユタカマジック」の集大成炸裂!キタサンブラック天皇賞春秋連覇達成!

秋の中距離最強馬決定戦、第156回天皇賞(秋)が29日、東京競馬場で行われ、武豊騎手騎乗のキタサンブラックが、混戦の1番人気に応えて見事優勝。史上5頭目となる同一年の天皇賞春秋連覇及び史上2頭目となる天皇賞3勝目という快挙を成し遂げた。

土曜から降り続く雨の影響で、今年の天皇賞(秋)は1991年以来26年ぶりの不良馬場での開催になったにもかかわらず、その顔触れはGⅠ馬8頭が参戦という好メンバーとなった。その中で最も注目を集めたのが、先日年内の引退を表明したキタサンブラック。ただ前走の宝塚記念で9着と惨敗していたうえに、初めての不良馬場での出走という未知な部分も手伝って、単勝3.1倍とこれまでほどの支持率は集められなかった。

ところが蓋を開けてみると、キタサンブラック、いや、盾男武豊の独壇場となったのである。

水煙上る1コーナー奥のポケットからスタートすると、各馬が一斉に飛び出していくなか、キタサンブラックは出脚がつかずに後方から。これは見ている競馬ファンのみならず陣営も想定していない事で、この馬場の中その位置から勝ち切るのは絶望的にも思えた。管理する清水久詞調教師ですら声が出たという。ただ、そんな中でも唯一、馬上の武豊騎手だけは冷静だった。前に行けなかった事で彼は即座にアタマを切り替え、終始内をつく作戦を取る。この日の馬場は雨の影響で内側が荒れ放題となっており、各馬は外から馬場の真ん中を通って走るのが今日のセオリーとなっていたのだが、武豊騎手はその裏をついたのである。返し馬の時に馬場の内側の状況をチェックしていた彼は、この馬場なら愛馬の脚捌きでクリアできると判断。他馬がカーブで外に膨らんで一句のを横目に、しっかり内を通ってポジションを押し上げていった。そして気がつけば4角は2番手の位置。そのまま残り400mで先頭に立つと、そのまま後続を突き放し、ゴール前詰め寄るサトノクラウンの猛追をもクビ差振り切って、見事そのまま1着でゴール板を駆け抜けた。勝ち時計は2分8秒3。このレースが芝2000m戦になった1984年以降、最も遅い走破タイムだったが、内容としてはまさに「ユタカマジック」の集大成とでもいうべきレースだった。

勝ったキタサンブラックは父ブラックタイド、母シュガーハートという血統。思えば前回不良馬場で行われた1991年の天皇賞(秋)では、1着入線した武豊騎手騎乗のメジロマックイーンが2コーナーの斜行により18着に降着になるという波乱のレースとなったが、今回の武豊騎手は26年の時を超えて、その時の借りをキッチリと返すような勝利となった。

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